A.「特別縁故者」は申し出により、財産の全部または一部を取得することができます。

故人に身寄りがなく、遺言がない場合などは、その財産は国のものになります。ただし、特別縁故者がいる場合は、申し出により、財産の全部または一部を取得することができます。なお、相続財産の分与を受けた特別縁故者は、相続税を納める必要があります。

特別縁故者

内縁の妻や縁組していない養子など
故人と生計を共にしていた等、生活関係は密接でありながら、民法上の相続権のない者
故人を介護した人など
故人の謝意を推定し、故人が遺言したとすると、その人に財産を遺贈しただろうと思われる者
故人から格別の庇護を受けてきた人など
故人が遺言したとすると、その人に財産を遺贈しただろうと思われる者

そのほかの人でも、家庭裁判所が財産分与を認める場合もあります。

特別縁故者の相続財産分与の手続き

申し立て場所
家庭裁判所
申し立て期限
家庭裁判所が相続人の捜索を始めて、2ヵ月後~5ヶ月以内が申し立て期限。期限を過ぎると申し立てが無効になる。
審判手続き
  • 家庭裁判所は、申し立て期限が過ぎると審判手続きを開始する
  • 数人の申し立て人があった場合には、併合して審理する
  • 審判では、縁故関係の具体的内容や濃淡、申立人の年齢、職業、性別、遺産の種類、金額、被相続人の意思等、一切の事情を考慮して分与の程度が決められる